諏訪湖のザリガニ出荷、最盛期 「厄介者」が高級食材に 愛知万博で紹介? 広まる

2008 年 8 月 6 日
信濃毎日新聞

諏訪湖に注ぐ川で捕れるザリガが、「出荷」の最盛期を迎えている。2005年愛知万博で県産食材として紹介されて以来、県内のフランス料理店から注文が入るようになり、田んぼのあぜに穴を開けたり、エビ漁の網を切ったりする「厄介者」は一転、「高級食材」に。今ではザリガ漁を専門にする人も3、4人おり、諏訪湖漁協(諏訪市)も思わぬ特産品の出現を歓迎している。

 五日、茅野市の仏料理店シェフ藤木徳彦さん(36)が同漁協を訪ね、ザリガ一匹五十五円で百八十匹余購入した。店では地元で採れた野菜と一緒に一皿六?八匹を使って出す。エビに似た食感で、「知られていないだけで、ほとんどの人がおいしいと言う」と話す。ゆでると真っ赤になるため、フランスでは縁起物として祝いの席で欠かせない食材だという。

 藤木さんは万博の際、漁協関係者が「テナガエビの漁獲量が少なくなり、ザリガがたくさん網にかかる」とこぼす話を聞いた。万博では県産食材を調理する担当となり「食材だと考えられていない地元産のものを生かそう」と、ザリガを使った料理を、ジビエ料理などと一緒に出したところ好評だった。

 この話が当時、県のホームページに掲載され、長野、松本、上田、佐久市などの仏料理店からも諏訪湖漁協に注文が入った。国内産では北海道の阿寒湖が有名だが、地元産を望む料理人が多いといい、〇六、〇七年とも県内五、六店から引き合いがあった。

 同漁協によると、網にかかるのは六?十月でピークはこの時期。〇六年には二千匹以上を出荷した。今年は河川工事の影響などで捕獲量が少なく、予約を断るケースも出ているが、担当の漁協職員は「今までは捨てていたものなので、有効に使えるのはありがたい」としている。


出荷の最盛期を迎えた諏訪湖周辺のザリガニ


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