127年前の仏料理再現 大隈重信ら“セレブ”が堪能 ザリガニのポタージュなど

2008 年 9 月 24 日

東京新聞

 1881(明治14)年、当時の東京府知事主催の新年の宴(うたげ)で、大隈重信ら政府要人や皇族が堪能したフランス料理を、ロイヤルパークホテル(中央区日本橋蛎殻町)が再現した。中央区立郷土天文館では十月十八日から、この料理のレプリカなどを展示する「甦(よみがえ)る文明開化 日本橋・銀座・築地」展が始まる。

 料理は肉料理など四品とデザート一品。都公文書館に残っていた記録と約百五十年前の古典的な仏料理書を基に、同ホテルの福島隆シェフらが腕をふるった。再現されたのは、招待客七百七十七人のうち、約五十人の“セレブ”に出されたメニューで▽ザリガニのポタージュ▽タイのノルマンディー風▽子羊のカツレツ▽キジのグリル▽クリのプリン の五品。

 「当時の仏料理は、客に見せるため、大皿に盛り付けていたようです」と福島シェフ。「魚料理と肉料理が一品ずつというのが現代の主流だが、この宴では肉料理が二品以上あり、ボリュームがあります」と説明する。

 宴は、築地にある旧浜離宮庭園にかつて存在した「延遼館」で開かれ、当時、大蔵卿を辞めて参議だった大隈や右大臣岩倉具視、外務卿井上馨らが出席。このメニューを味わったという。

 公文書を精査し、料理の再現を企画した同天文館学芸員の川越仁恵さんは「かつて区内で開かれ、埋もれていた歴史を掘り起こせ、うれしい」と話す。展示の問い合わせは同天文館=(電)03(3546)5537=へ。

 また、同ホテルでは特別展にちなんだ記念メニューを十一月に提供する予定。問い合わせは、同ホテル=(電)03(3667)1111=へ。

展示の打ち合わせのために再現された古典的フランス料理と、福島隆シェフ=中央区のロイヤルパークホテルで


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