覆面座談会 第7弾!

おことわり
本コーナーは、実際に行われた議論を再現したものですが、ざりがに.COM運営者の意見を反映するものではありません。

日時:2008年8月20日
場所:東京 新宿区神楽坂某所
参加者:A氏、B氏、C氏、D氏(各氏とも匿名希望)


A氏「暑い日が続きますが、本日は、暑気払いということで、ザリガニ談義でいきましょう。」

B氏「本当に暑い夏ですね。我が家のザリガニ君たちもかなりバテ気味で、何匹かは昇天してしまいました。クーラーでガンガン冷やしてあげたいところですが、CO2削減とザリガニ規制の所管官庁はどちらも同じ○○省ですからねえ・・・、ザリガニのためにクーラーを使用するなんて「もってのほか!」と、○○省はおっしゃるでしょう。」

C氏「そりゃそうですよ。○○省は京都議定書の立役者ですから・・・。CO2削減の数値目標達成のためには、なりふり構わないわけで、日本経済に何兆円もの穴を開けることも全く厭わない人たちです。ましてや、ペット飼育のためにCO2を排出するなんて、絶対に許すわけありません。」

D氏「規制、規制で住みづらい世の中になってしまいましたよね。特にザリガニ愛好家は・・・。ザリガニは初回の指定で広範囲に特定外来生物に指定されてしまいましたが、熱帯魚、甲虫、爬虫類、両生類、鳥類などは初回でわずかに指定されただけで、その後増えるのかと思いきや、尻つぼみになりました。結局、一番損をしたのは、ザリガニ愛好家ではないですか。」

B氏「外来生物法等により、今や規制でがんじがらめにされてしまったザリガニ愛好家にとっては、規制改革会議だ何だかんだといっても、何となく白々しく聞こえますよね。いっそのこと、規制改革会議に改革要望を出して、ザリガニ特区でも作ってもらいますか? 特区の中では、いかなるザリガニの飼育も可という・・・。しかし、特区から外には絶対に流出させないような万全の措置をとるという・・・。」

A氏「委員であるヤマトホールディングスの有富さんや慶応の中条さんは、産業界の要望は聞くのに熱心でも、ザリガニ愛好家の要望なんか、どうせ相手にもしてくれないんでしょう・・・。やっぱりマイナーなオタクの世界ですからね。」

C氏「文芸春秋に京都議定書に対する痛烈な批判が載っていましたが、○○省に対する勇気ある発言だったので、その勇気に対し思わず拍手してしまいました。多くの人が内心おかしいと思っていても、反旗を翻せば袋叩きにあうのは明らかなので、皆黙っていますからね・・・。我々も、覆面座談会でオッカナビックリではありますが、ザリガニに関し、いい加減な外来生物法の運用を批判しているわけですが、蟻のように踏み潰されるのを恐れてか、全国規模の某ザリガニ愛好家団体なんかはダンマリですね。」

D氏「私のような自称リアリストからすれば、厚労や環境のアイディーリストたちの言動には、偽善者によく見られるようなウサン臭さというものを、昔から感じていましたよ。そういう偽善者たちがやってきたことと言ったら、医療にしろ、年金にしろ、保険にしろ、環境にしろ、結局は失策だらけではないですか!」 

B氏「先の北海道洞爺湖サミットは失敗だったという厳しい評価が識者から下されていましたね。「エコ」という綺麗ごとで会議を飾ったのがまずかった。福田さんは○○官僚の御輿に乗ってしまったのでしょうかね。「エコ」で情に訴えるのは、いかにも日本的な発想で、日本人には効き目があるでしょうが、世界に対しては如何なものか・・・。国際政治はもっと冷徹な世界です。国際情勢を見るかぎり喫緊の課題が山積しているわけで、G8の首脳が一同に会するチャンスを有効に使わないと・・・。「エコ」も確かに重要ではありますが・・・。」

C氏「洞爺湖サミットに、ウチダザリガニの話を持ち込もうという動きが、○○省にありましたが、前々回の座談会でも申し上げたとおり、ウチダザリガニを水産業振興目的で放流したのは他でもない日本政府であって、その厚顔無恥ぶりには呆れました。しかし、結局ボツとなったようですね。」

A氏「洞爺湖のサミット会場の外では、ウチダザリガニの駆除に関する展示やキャンペーンが○○省によって行われていたようです。しかし、ルスツのプレスセンターにいた数百人規模の外国人記者からは殆ど見向きもされなかったようですね。」

D氏「ところで、洞爺湖のウチダザリガニといえば、先日、「ザリガニ義賊」が出現しましたね。」

B氏「ハイハイ。北海道新聞によれば、環境省が7月末から洞爺湖で行ったウチダザリガニのカゴによる駆除で、何者かによって、カゴのファスナーを開けてザリガニが逃がされたり、カゴを繋ぐロープが切られたりしたので、環境省は即刻駆除を中止したそうです。」

A氏「「義賊」とは、またレトロな・・・。「レジスタンス」とか何とかにしてくださいよ。」

B氏「駆除の方法として、ロープをつないだかごを湖に等間隔で沈め、翌朝水揚げしていたそうですが、駆除初日の729日に、昨年一番水揚げの多かったエリアでカゴ5個のファスナーが何者かに開けられ殆どのウチダザリガニが逃げてしまったとのことです。そして翌日の30日にも同じようなことが起き、更に翌々日の31日にはカゴを繋いでいたロープが切断されてカゴが無くなるという事態となり、環境省は警察に届けるとともに駆除を直ちに中止したとのことです。」

C氏「そんなことぐらいで直ちに中止するとは意気地の無いことですね。これまでの○○省の強引なやり方に比べて不釣合いです。○○省に対する反発を肌で感じ、このままでは自分らの身に危害が及びかねないとでも思い怖気づいたのでしょうか・・・。」

D氏「確かに情けない。ザリガニ用の罠を使って、人間様を罠に嵌めることぐらいは普通考えます。カゴを沈めて張り込んでいれば、犯人はまた現れるでしょう・・・。犯人はそれなりの覚悟でやっているのでしょうから、真剣に対峙するのが礼儀というものです。」

A氏「一番喜んだのは、命拾いしたウチダザリガニ君たちでしょう。駆除では、どういう殺し方をするのか知りませんが、いずれにせよ殺されずに済みましたから・・・」

B氏「報道によれば、「環境省は「売る目的でかごから盗まれた可能性がある」とみて、警戒を強めている」とのことですが、売る目的のわけないでしょ。単なるレジスタンスですよ。全く見当外れというか、鈍いというか・・・。」

C氏「そもそも外来生物法という法律で売買も含めて禁止されているわけですから、マーケットはもはや存在しないわけで、一体どうして「売る目的」だなんて見当違いなことを言うのでしょうかね?」

D氏「カゴの沈め場所を知っているし、昨年の調査で一番水揚げの多かったエリアであったことも知っているわけですから、内部の事情に詳しい者の犯行のような気がします。○○省の内部に「隠れザリガニ愛好家」がいるのかな?」

A氏「漢字で書けば「犯行」でなく「反抗」でしょ?」

D氏「駆除には、ボランティアも多く動員されていますから、反抗勢力がボランティアに紛れ込んで内部情報をとったのかもしれません。」

B氏「殺される運命にあるウチダザリガニを単に哀れに思っての反抗なのか、短期間のうちに日本全国を席巻して生態系を破壊し本来A級戦犯たるべきアメリカザリガニを不問に付し、かわりにB級戦犯であるウチダザリガニを徹底的に弾圧している○○省に対する反抗なのか?」

C氏「○○省は、ウチダザリガニの規制に関し、漁業関係者からも恨まれていますから、自由に船を操れる漁業関係者という線も考えられます。外来生物法施行までは、ウチダザリガニに関し数トンもの水揚げがあり漁業権も設定されていたのですから、「あとから出来た法律がなりわいを侵すのはおかしい」と漁業関係者が反発するのも無理はありません。」

D氏「そこなのですが、外来生物法では、「生業の維持」目的であれば、禁止事項である飼養、保管、運搬、輸入、譲渡し、譲受け、引渡し、引取りが許可されることになっています。数トンものウチダザリガニの水揚げがあり、漁業権も設定されていたのであれば、申請すれば許可されていたはずです。従って、我々は、漁業従事者は当然ながら今までどおり漁を行う許可を得ているものとばかり、当初は思っていたのですが、その後、そうでなかったことを知り驚きました。漁師の方々は法律に明るくなく、申請のことを知らなかったのかもしれませんが、もはや手遅れです。○○省はそこのところを漁協に教えてあげなかったのだろうかと疑問に思いました。今から思えば、○○省のこの不作為は、確信犯的だったのではないでしょうか。」

C氏「年金問題を始めとして政府の数々の失政にもかかわらず、暴動の一つもおきないことからもわかるように、日本人ほどおとなしい国民はいないと思います。しかし、今回のこの事件は、○○省の政策に対する不満が必ずしも侮れないものになっている可能性を示唆したものとして注目に値すると思います。」

A氏「暑さのせいで、みな鬱憤が溜まっているのかもしれません。爆発しないうちに今日はお開きといたしましょう。」