阿寒湖ザリガニ、販売4割減 「活」は外来生物法で規制

2006年8月12日
朝日新聞

阿寒湖漁協が販路拡大へ売り出した個人客向けのボイルザリガニ=北海道釧路市阿寒町で

北海道釧路市の阿寒湖漁協が漁獲・販売しているウチダザリガニの販売量が、昨年に比べて4割ほど落ち込んでいる。2月に「外来生物法」の特定外来生物に指定されたことで、生きた状態の「活」での流通が規制された。その影響が出ているようだ。

今年の漁は、湖が解氷した5月中旬から始まった。「活」での販売量は5月が112キロ、6月が323キロでともに前年より約80キロ少ない。7月は前年の半分以下の260キロだった。

 特定外来生物に指定されても、飲食店営業許可があるなどの条件を満たせば「活」で仕入れができる。だが仲卸業者などは環境省の許可が必要になった。許可申請には、書類の記入に加えて、ウチダザリガニの運搬容器や保管場所などの図面や写真が必要で、申請から許可が下りるまで1カ月前後かかるという。同漁協は「手続きが煩雑で、申請が進まない面もある」と気をもむ。

 同漁協も手をこまねいているだけではない。「活」販売への影響を懸念し、今年から個人客向けに塩ゆでしたボイル商品の販売を始めた。話題性もあり、漁協のホームページを通じて全国から注文があるが、販売量は5月から7月までの3カ月で計85キロだ。「活」販売の落ち込みを、補うまでにはなっていない。

 同漁協にとって、ウチダザリガニは夏場の主力商品。同漁協の中井祐一・販売加工課長は「料理店の販路拡大は仲卸によるところが大きく、煩わしくても早く許可をとって販売量を増やしてほしい」という。


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