“洞爺湖の脅威”ウチダザリガニ719匹退治 増殖?駆除最多に
2007 年 7 月 2 日

 生態系に被害を与える特定外来種に指定された「ウチダザリガ」の駆除作業が1日、北海道洞爺湖町の洞爺湖で始まり、1日としては過去最高の719匹を捕獲した。環境省洞爺湖自然保護官事務所は「個体がさらに殖えている可能性がある」として、引き続き駆除していく。

 この日は、札幌などから集まった男女10人のボランティア・ダイバーが2人1組で潜り、洞爺湖温泉側の延長1・8キロ(水深1?10メートル)の岩場に生息域を広げる個体を手で採取していった。昨年の初日捕獲数は約260匹で、今年はこれを大きく上回った。

 ウチダザリガは1930年ごろ、アメリカから食用として摩周湖に導入され、その後、道内各地に持ち出されたと考えられる。

 洞爺湖でも一昨年暮れ、初めて確認され、昨年はカゴなどを使い最終的に計1300匹を駆除した。在来種のニホンザリガを捕食したり、小魚の餌になる水草を食べ尽くす危険性が高まっている。

 参加した北海道東海大海洋環境学科3年の打越元太さん(20)は「1時間で20匹捕まえた。すばしっこいのに驚いた」と話していた。