網走管内のシラカバ林を流れる小さな川で、全身が青いニホンザリガニが多数見つかった。道稚内水試の川井唯史・資源増殖科長(42)が十四、十五の両日行った調査で確認したもので、五十分の間に十匹を捕獲。最大は五・四センチのオスで、褐色の個体に対する青い個体の出現率も、通常は「千匹に一匹の割合」とされるのに対し、この川ではおよそ一割に上った。
ニホンザリガニは道内全域と青森、秋田、岩手の三県で見られる日本の固有種。近年は生息環境の悪化で数が激減しているため、環境省の絶滅危惧(きぐ)種にも指定されている。青い個体は、道内六カ所と青森県内一カ所というわずかな場所でしか報告例がない。
青くなる原因は「遺伝」「動物性タンパク質の餌による変異」という二説が有力視されているが、詳細は不明のまま。川井さんは「今回採取したザリガニを大切に飼育、観察することで、メカニズムを解明したい」と話している。
【写真説明】高い確率で複数見つかった青い体色のニホンザリガニ。容器にのる褐色の個体に比べ色鮮やかだ