然別湖・ウチダザリガニ*本年度3129匹駆除*昨年より増*生息域拡大も確認
2007 年 10 月 27 日

 然別湖に生息する特定外来生物、ウチダザリガニの本年度の駆除事業が二十六日で終了した。春と秋の六回で三千百二十九匹を捕獲、初年度より駆除数が増えた。湖の南岸では今年六月時点に比べ生息域が拡大しており、専門家は継続的な駆除が必要と指摘している。

 駆除はウチダザリガニが生態系に悪影響を及ぼすとして昨年度から始まった。環境省上士幌自然保護官事務所と鹿追町、北海道ネイチャーセンターが中心となり、湖にエビかごを沈め、サンマをエサに捕獲している。

 秋の駆除では二十四日から三回、ボランティアを含む十五人が、湖の十九カ所に設置した八十三個のかごを引き上げ、千七百七十匹を捕獲。雌雄や体長、抱卵の有無などを調べた。本年度は六月の千三百五十九匹と合わせ三千百二十九匹を駆除。このほか中高生らの体験学習でも捕獲しており総数はさらに多い。

 初年度の駆除数は二千四百五十八匹だった。本年度は春の駆除時期を一カ月遅らせたため、水温の上昇で効果が上がったとみられる。

 懸念されるのは生息域の拡大。六月の駆除で、昨年度は見つからなかった、弁天島より北側の湖岸近くやホテル街の南岸で生息が確認され、さらに今回、南岸の旧北電保養所東側でも抱卵したメスが捕獲された。

 事業の指導を行う土木研究所(茨城県つくば市)の中田和義専門研究員は「生息密度が高まると周辺に生息域が広がる。(オショロコマなどの)生態系を守るためにも、生息域の北限と南限を抑え、拡大を防ぐことが重要だ」と話している。

【写真説明】捕獲したウチダザリガニを調べる調査員



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