【洞爺湖】洞爺湖に生息する特定外来種、ウチダザリガニの本格的な駆除体制を探る環境省主催の「洞爺湖ザリガニフォーラム」が来年一月、洞爺湖ビジターセンター(洞爺湖温泉)で開かれる。「環境」が主要テーマとなる来夏の北海道洞爺湖サミット開催もにらみ、専門家や地域住民を交えたパネルディスカッションを通じて、洞爺湖の環境保全活動に弾みをつけたい考えだ。
初めて開かれるフォーラムは二部構成。第一部で環境省洞爺湖自然保護官事務所の自然保護官らが、ウチダザリガニの生態や洞爺湖での駆除活動について報告する。「ザリガニ発表駅伝」と題して、環境教育や駆除に携わる団体・個人が、活動プランを発表する場も設ける。
第二部では、ザリガニの生態に詳しい道立稚内水産試験場資源増殖部の川井唯史さんをコーディネーターに、洞爺湖とかかわりのある地元の観光関係者らを交え、継続的な駆除方法を考えるパネル討論を行う。
北米原産のウチダザリガニは繁殖力が強いのが特徴。在来種のニホンザリガニが感染すると死ぬミズカビ菌を保有し、生態系に悪影響を及ぼす。洞爺湖では二○○五年十月に初めて発見された。今年五?十一月に同事務所は駆除を実施し、前年度の約六倍の八千五百八十八匹を捕獲した。道内では釧路湿原や支笏湖など各地で発見例がある。
同事務所は「外来種の駆除を実践しながら、環境教育や自然保護活動にどう広げていくかが課題。地元主導の活動に発展させたい」と期待する。一月十三日午後一時から。入場無料。問い合わせは同事務所(電)0142・73・2600へ。