ザリガニのマロンは体が青色で観賞用として人気
報知新聞
2008 年 10 月 27 日

 日本ではザリガを食べる文化は根付かなかった。

 確かに北海道では1930年にアメリカから移入されたウチダザリガを食用としているし、アメリカザリガだってジストマなどの寄生虫の心配はあるが食べられる。しかし、日常的に一般家庭の食卓に上る食材でないのは間違いない。

 その点、オーストラリアのマロン=写真=は違う。本欄で何度も紹介したシドニーのフィッシュマーケットでは、大抵生きたままのマロンを見ることができるし、ゆでられて真っ赤になったマロンも売られていて、その場で食べることもできる。

 マロンはオーストラリア南西部の河川にすむミナミザリガの仲間だ。大きくなると体長35センチを超え、体重も約1.8キロに達するという大型種で、黒褐色の光沢ある甲羅はまるでずっしりと重い金属を思わせる。また、体全体が真っ青なマロンは観賞用として人気がある。

 実はオーストラリアはザリガの宝庫と言っても過言ではないほどザリガの種類の豊富な国。体長45センチ、体重6キロにもなるという世界最大のザリガとして有名なタスマニアのジャイアント・フレッシュウォーター・クレイフィッシュを始め、土手などに穴を開けて住むところから嫌われている体長15センチほどのヤピー、小さいながらも鮮やかな赤い甲羅が美しいスモール・シドニー・クレイフィッシュなど、種類もバラエティーに富んでいる。特にジャイアント…は初めてシドニー水族館の水槽で本物を目にした時、あまりの大きさに圧倒されてしまった。

 残念ながらマロンもヤピーも外来動物の輸入規制の問題で、面倒な手続きをクリアして許可を得ないと日本に持ち込めない。ジャイアント…の方はさらに現地で捕獲そのものが禁止され、保護されている。(エビとカニの水族館館長)



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