<今日の話題>ザリガニソン

2009年5月1日

 遺伝子を分析したところ、北半球に分布するザリガニの起源は、北海道に生息するニホンザリガニに行き着くそうだ。

 淡水の生物が、なぜ海の向こうに行けるのか。答えは、地球の陸地がただ一つのパンゲア大陸(超大陸)だった二億年以前にあるらしい。

 化石を見ると当時のザリガニの姿は今とあまり変わらない。分離した各大陸で個別に進化する中、パンゲアの先祖に極めて近いかたちで生き残ったのがニホンザリガニというわけだ。

 だが、その希少種も今や北海道と北東北三県に少数が分布するのみで、国の絶滅危惧(きぐ)種に指定されている。生存を脅かす主因は外来のウチダザリガニ。

 外来種は生息範囲を広げ、とうとうオホーツク地域でも発見報告が相次ぐようになった。

 研究者は「ペットなどの放流が原因」とみる。啓発活動の一環としてザリガニポスター展を四月二十九日から北網圏北見文化センターで開いている。

 最新の研究成果とともに精巧なペーパークラフトや塗り絵も用意した。連休中、親子で訪れてはいかがだろう。

 もう一つ、研究者が願うのは全道的な生息調査だ。

 野の花では五年に一度、フラワー・ウオッチング・マラソン、略してフラワーソンが開かれている。前回二〇〇七年は道民約二千六百人が参加した。

 外来種の駆除を兼ね、似たような参加型の調査はできまいか。さしずめザリガニソンか。太古からの希少種を道民みんなで守りたい。



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