北海道新聞
2009年9月18日

木古内・新幹線工事現場付近にニホンザリガニ 鉄道機構、整備方法変更へ

ニホンザリガニの生息を確認した沢付近の環境を説明する影山代表。左上は捕獲されたニホンザリガニの成体

 渡島管内木古内町で建設工事が進んでいる北海道新幹線のトンネル坑口付近の沢で、絶滅危惧(きぐ)種ニホンザリガニが生息していることが分かった。工事を行っている鉄道・運輸施設整備支援機構(東京)も生息を確認し、工事方法の一部変更を決めた。

 ニホンザリガニの生息を確認したのは函館のNPO法人「北の森と川・環境ネットワーク」(影山欣一代表理事)。木古内町橋呉の泉沢トンネル坑口予定地のすぐ近くを流れる沢の上流部で8月26日、体長5センチ以上の成体2匹と、幼体4匹の計6匹を発見した。

 同機構はこのトンネル付近で2005年以降、環境調査を行ったが、ニホンザリガニの生息は確認できなかった。このため、排水用パイプを敷設し沢を埋めてトラックなどが通行する工事用道路を整備する計画だった。

 しかし、NPOの指摘を受け、ニホンザリガニの生息環境を損なわないよう、沢をまたぐように橋を設けることにした。また、トンネル付近を流れる川の上下流最大500メートルの範囲のすべての沢で9月下旬に再調査する。同機構北海道新幹線建設局総務課は「関係者と協議しながら工事を進めていく」としている。

 環境省編レッドデータブックによると、ニホンザリガニは道内と北東北3県だけに生息。環境破壊の影響などで急速に個体数が減少している。






ザリガニ・ニュース! に戻る