2010年6月10日


ザリガニの化石 中1発見
南相馬 1億5000万年前の地層から

大型ザリガニのハサミ部分とみられる化石(高橋紀信さん提供)

南相馬市で約1億5000万年前(ジュラ紀後期)の地層から大型ザリガニの“ハサミ”部分の化石が発見されていたことがわかった。同時代の大型ザリガニの化石は世界的にも珍しいとみられる。

 “ハサミ”の化石は、長さ11・4センチ。現代のロブスター並みの体長40センチ程度の大型ザリガニのものと推定される。

 発見したのは、同市原町区の中学1年生、只野歩夢君(13)。昨年7月、常磐道建設工事で露出した地層「相馬中村層群中ノ沢層」の化石密集部分を、市教委が採取、運搬して、それを市民グループ「相馬中村層群研究会」が調べていた。当時小学生だったメンバーの只野君が発見。同研究会で検討した後、千葉県立中央博物館の加藤久佳学芸員が鑑定。化石は今月7日からドイツのアイヒシュテットで開かれている「第4回中生代・新生代十脚類シンポジウム」に、加藤学芸員が持ち込み、発表する。

 浜通りの古生物に詳しい同研究会の高橋紀信顧問(75)は「白亜紀の大型ザリガニの報告はあるが、それ以前のジュラ紀後期の海のザリガニ類の進化について貴重な化石をみつけた意義は大きい。只野君の観察力も素晴らしい」と話している。



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