ザリガニ料理でザリガニ・パーティー!
世界的に有名なスウェーデン式ザリガニ・パーティーをやろう!
はじめに
ザリガニ・パーティーといえば、スウェーデン。
ノルディック・カントリーの夏の夜は、いつまでも仄かに明るい。緯度が高いからである。
日が暮れたのか暮れないのか微妙な状態が、延々と続く。その宵空の美しさはまた格別である。
気候も良く、実に爽やかな屋外に、人々はテーブルを出し、仲良し同士が集まって、山盛りのザリガニを肴に、パーティーを楽しむ。
人と自然と、光と闇と、何と絶妙なバランスだろう。
スウェーデンのザリガニ・パーティーは既に16世紀ごろから行われているが、今の作法は19世紀のもの。スウェーデン語でkraftskivaと言う。これが隣国フィンランドなどにも広まり(フィンランド語ではRapujuhlat)、北欧の夏の風物詩となった。そして、今では、世界中に広まりつつある。
スウェーデンでは、8月8日にザリガニ漁が解禁となるので、ザリガニ・パーティーの季節は、8月〜9月が旬。ザリガニの種類は、ノーブル・クレイフィッシュが正統派である。しかし、最近は、スペインやトルコ、更には遠く中国やアメリカなどからの輸入ザリガニを食すことも多くなってきた。
ノーブル・クレイフィッシュは、1907年にアメリカのシグナル・クレイフィッシュがもたらしたザリガニ病で壊滅的な打撃を受け、激減した。ザリガニの漁獲量を増やすため1960年代に本格的にシグナル・クレイフィッシュが再度導入された。しかし、シグナル・クレイフィッシュよりノーブル・クレイフィッシュの方が旨い。最近はシグナル・クレイフィッシュが生息しない川や湖で、ノーブル・クレイフィッシュの繁殖が図られている。
トラディッショナルなスウェーデン式ザリガニ・パーティーの方法
テーブル・セッティングとデコレーション
@ テーブルは戸外にセットする。戸外は気持ちいい!
A テーブル・ウェアとして、ペーパーテーブルクロス、ペーパー・エプロン(bib)、ペーパー・ナプキン、紙皿等を用意する。これらには、ザリガニの絵などがデザインされたカラフルなものが定番。
C参加者は、思い思いのパーティー・ハットを被る。
パーティー・ハットには、ザリガニなどの絵がデザインされた紙製のとんがり帽子がポピュラー。ザリガニの汁で服が汚れるので、ペーパー・エプロンはちゃんと掛ける。
ザリガニ・パーティー!
シーズンとしては、気候の良い8月から9月。
日が暮れて少し暗くなり始めたら、さあ、パーティーの始まりです。
メニュー
典型的なメニューは、勿論、まずはザリガニ!
ザリガニは、冷えたザリガニがスウェーデン風。
パンやVasterbottenというややクセのあるチーズがサイドメニュー。
酒は、まずは、Schnappsというスウェーデンのウォッカともいうべき酒。
Schnappsは強いが、ギンギンに冷やすと旨い。
「1爪食べたら1杯飲む」という伝統的なルールもあるが、飲みすぎは禁物。
そして、北欧の酒Akvavitやビール。
ザリガニ料理のレシピー
@ ザリガニは泥抜きをする。泥抜きは、数日間きれいな水で飼う。その間、エサは与えない。泥抜き期間が長すぎると、肉が痩せて味が落ちるので、ご注意。ザリガニは、茹でる前に、水でよく洗う。
A 大きな鍋に水、塩とディルというハーブを入れて2〜3分茹でる。特に、花つきのディル(これをクラウン・ディルと呼ぶ)を使うのがスウェーデン風。クラウン・ディルはたっぷり使う。
(注)ディルとは、地中海沿岸原産のセリ科のハーブで、葉にはさわやかな芳香があり、魚とよく合うので「魚のハーブ」とも呼ばれ、鮭によく使われます。
水の量はザリガニ8匹につき1リットル。塩は、水1リットルにつき35〜40グラム。
B 次に、クラウン・ディルを取り除き、ザリガニを加えて、6〜7分茹でる。
C 茹でたザリガニは、濾して不純物を取り除いた茹で汁につけたまま、また、ディルを加えて、少なくとも6〜12時間、冷蔵庫で冷やす。24時間以上つける人もいる。
D 盛り付けは、テーブルの真ん中に大きな皿で盛る。その際、香り高きディルを添える。ザリガニは冷やして召し上がる。それがスウェーデン式。
盛り付けの例
ザリガニ・パーティーの作法
くどいようだが、ザリガニは冷やす。
そして、ザリガニは手で食べる。かぶりつく。
また、ザリガニ専用ナイフも使う。
ザリガニを食すに際しては、ザリガニの中に入っている汁をチューチュー ジュルジュルと音を立てて吸う。
以上がスウェーデン式の作法。これを忘れずに!
そして、ワイワイ・ガヤガヤ楽しくやる。
ザリガニを称えるショート・スピーチをしたり、ゲームやクイズといった余興も用意する。
ザリガニ・ソングを歌い、Schnappsで乾杯する。歌われる歌を、Schunapps-songともAquavit-songとも言うらしい。
宴は、午前1時、2時まで続く。