マロンの飼い方


マロンの特徴としては、@冷涼、清澄な水に棲み、 A大型になる という点が挙げられます。
@ に関しては、特に夏場25℃以上になる地域においては、クーラーの設置が不可欠です。また、水質の悪化と低酸素レベルに弱いので、パワフルな外部式ろ過装置を用いるとともに、エアレーションは十分すぎるほど行ってください。
A に関しては、成体を購入する場合、大きめの水槽を用意する必要があります。個体の大きさにもよりますが、少なくとも60cm以上の水槽は必要でしょう。



                     マロン飼育基本データ


原産地
   オーストラリア南西部

水温
高温に弱く、12.5〜24℃で成長。成長率は24℃で最大となるが、これを超えると急激に成長率は落ち、30℃で死亡。


溶存酸素量
低酸素レベルに弱く、3ppm以下でストレス。通常6ppm以上は保つこと。


水質

pH

ややアルカリ寄り(pH 7.0〜8.5)。PH 7.0以下では殆ど棲息しておらず、脱皮や甲羅の硬化に問題をおこす。

塩分
塩分に強く、15pptまで可。但し、6−8ppt以上で成長率が低下するため、いずれにせよ、低レベルの塩分がベスト。


繁殖
18〜24ヶ月で性成熟。
初春に交尾し、メスの体長に比例して200〜900個の産卵
種親の雌雄比率3:1で、メスの75%が抱卵。抱卵期間は、12〜16週間。
シーズン中、メスは1回だけ産卵
初夏に仔が一人歩き。


成長
1年で60〜110g。2年で100〜300g。2kgまでなる。。


病気

白磁病(白尾病)

セロハニアという単細胞生物が病原。マロンの原産地ではまだ罹患の報告はなし。日本では罹患の可能性あり。
ザリガニの筋肉を冒し、末期には腹部の下が白く綿のようになり、死ぬ。
感染したザリガニを共食いすることにより感染。治療法はなし。感染ザリガニを隔離して、伝染を予防するのみ。但し、初期段階での感染ザリガニの識別は困難。

ザリガニ病(ザリガニかび病
アファノミセス・アスタシという病原菌が北米からヨーロッパに伝播し、ヨーロッパ産ザリガニに壊滅的打撃を与えた病気。原産地オーストラリアにはまだ伝播していないが、日本国内に伝播しているかは不明。

寄生虫
エラや甲羅に付着するティムノセファリドやエピスティリス。病気ではないが、多すぎれば害もありうる。
1リットル当たり30gの塩(食塩は不可。海水魚用塩を使用のこと)を溶かした塩水には2〜3分間、1リットル当たり10gの塩を溶かした塩水には30分間塩水浴することにより、除去。


エサ
腐食性生物で、水底に堆積した落葉等に付着するバクテリア、菌等が主食(デトリタス)。
副食により成長増進。
ペレット飼料だけでは、デトリタスの完全な代替物とはならず。