未判定外来生物 Q&A

おことわり
本コーナーでの解答は、あくまでも、環境省により開示された情報等を参考に、ざりがに.COMが独自に考察したものです。もとより法の有権解釈はできませんので、正確かつ正式な解答をお求めの方は、環境省自然環境局野生生物課にお問い合わせください。
また、便宜上Q&Aという形をとっていますが、考察結果を整理して示すためQ&A形式を使用しているものであり、法律相談を行った又は行うものではありません。(06年2月現在の内容です。)
目次


Q1:今回の規則改正の概要を教えてください。

Q2:未判定外来生物に指定されたザリガニの種類は具体的には何ですか?
Q3:種類ごとに全ザリガニのステータスを分類整理して説明してください。
Q4:未判定外来生物に指定されたザリガニは、何が規制されるのですか?
Q5:ニホンザリガニには規制がかかっていませんか?
Q6:アメリカザリガニに規制がかかっていませんか?
Q7:ヤビー、マロン、レッドクロウなどは未判定外来生物に指定されていませんが、輸入してもいいですか?
Q8:フロリダ・ブルーを繁殖させネット・オークションで売ってもいいですか?
Q9:フロリダ・ブルーを池に放してもいいですか?
Q10:未判定外来生物のザリガニの輸入手順を教えてください。

Q11:届出をしたところで、認められる可能性はありますか?
Q12:未判定外来生物のザリガニを無届けで輸入したら、どのような罰則を受けますか?
Q13:輸入の届出により、環境省が審査した結果、クロ判定されたザリガニはその後どうなりますか?



Q1:今回の規則改正の概要を教えてください。

A1:06年1月25日、外来生物法施行規則が改正され、同規則の別表で、アメリカザリガニ、ニホンザリガニ及び特定外来生物に指定されたザリガニを除く、全てのザリガニが未判定外来生物として指定されました。そして06年2月1日から施行されました。
未判定外来生物は、輸入に規制がかかります。すなわち、未判定生物のザリガニを輸入しようとする者は、あらかじめ環境大臣に届出をし、「在来生物とその性質が異なることにより生態系等に係る被害を及ぼすおそれがあるものでない」と判定(シロ判定)されなければ、輸入することができません。
環境省がどの程度の厳しさで判定を実施するか今のところ不明ですが、現実的には、殆どのザリガニは、生態系等に被害を及ぼす「おそれがあるものではない」と判定されることは困難と思われます。多少でも可能性があれば、おそれなしとは言えないからです。この場合(クロ判定の場合)、殆どのザリガニは輸入ができないということになるでしょう。
特定外来生物と異なり、未判定外来生物は、飼育、繁殖、売買等が禁止されていません。仮にクロ判定されて輸入ができなくても、国内ブリードものが存在すれば、取りあえず飼育、飼育、売買等することは可能です。
しかし、一旦クロ判定されたザリガニは、次の政令改正で特定外来生物に指定されることとなります。特定外来生物に指定されると、以後、飼育、売買、保管、運搬など全てが禁止されます。


Q2:未判定外来生物に指定されたザリガニの種類は具体的には何ですか?

A2:アメリカザリガニ、ニホンザリガニ及び特定外来生物に指定されたザリガニを除く全てのザリガニです。すなわち、アメリカザリガニ、ニホンザリガニ、ウチダザリガニ、ラスティークレイフィッシュ、ケラクス属のザリガニ全種及びアスタクス属のザリガニ全種を除く、全てのザリガニです。


Q3:種類ごとに全ザリガニのステータスを分類整理して説明してください。

A3:ニホンザリガニ・・・規制なし
アメリカザリガニ・・・規制なし
ウチダザリガニ・・・特定外来生物(飼育、売買、保管、運搬、輸入、放流など全て禁止)
ラスティークレイフィッシュ・・・特定外来生物(飼育、売買、保管、運搬、輸入、放流など全て禁止)
ケラクス属の全ザリガニ・・・特定外来生物(飼育、売買、保管、運搬、輸入、放流など全て禁止)
アスタクス属の全ザリガニ・・・特定外来生物(飼育、売買、保管、運搬、輸入、放流など全て禁止)
上記以外のザリガニ・・・未判定外来生物(輸入に規制あり)


Q4:未判定外来生物に指定されたザリガニは、何が規制されるのですか?

A4:未判定外来生物は、輸入が規制されます。すなわち、未判定生物のザリガニを輸入しようとする者は、あらかじめ環境大臣に届出をし、「在来生物とその性質が異なることにより生態系等に係る被害を及ぼすおそれがあるものでない」と判定(シロ判定)されなければ、輸入することができません。特定外来生物と異なり、未判定外来生物は、飼養、保管、運搬、譲渡、売買、放流などが禁止されていません。仮にクロ判定されて輸入ができなくても、国内ブリードものが存在すれば、取りあえず飼育、保管、運搬、譲渡、売買などすることは可能です。


Q5:ニホンザリガニには規制がかかっていますか?

A5:いいえ、かかっていません。ニホンザリガニは特定外来生物にも未判定外来生物にも指定されていませんので、飼養、保管、運搬、譲渡、売買、放流、輸入などが全てできます。


Q6:アメリカザリガニに規制がかかっていますか?

A6:いいえ、かかっていません。アメリカザリガニは、ニホンザリガニと同様、特定外来生物にも未判定外来生物にも指定されていませんので、飼養、保管、運搬、譲渡、売買、放流、輸入などが全てできます。(但し、環境省の要注意リストに掲載されていますので、将来的には規制の対象になるかもしれません。)


Q7:ヤビー、マロン、レッドクロウなどは未判定外来生物に指定されていませんが、輸入してもいいですか?

A7:いいえ、輸入できません。ヤビー、マロン、レッドクロウなどのケラクス属全種は特定外来生物に指定されていますので、輸入はもちろんのこと、飼養、保管、運搬、譲渡、売買、放流などが全て禁止されています。


Q8:フロリダ・ブルーを繁殖させネット・オークションで売ってもいいですか?

A8:はい。フロリダ・ブルーは未判定外来生物なので、輸入に規制がかかるだけで、特定外来生物のように飼養、保管、運搬、譲渡、売買、放流などが禁止されることはありません。


Q9:フロリダ・ブルーを池に放してもいいですか?

A9:みだりに外来生物を放つことは、好ましいことではなく差し控えるべきであると考えますが、違法な行為ではありません。フロリダ・ブルーは、特定外来生物ではなく未判定外来生物だからです。従って、処罰もありません。


Q10:未判定外来生物のザリガニの輸入手順を教えてください。

A10:未判定生物のザリガニを輸入しようとする者は、あらかじめ環境大臣に届出をする必要があります。届出書には、住所、氏名、ザリガニの和名・学名、入手国、生息地・生育地の分布状況などを記入します。生態特性に関する情報として、文献その他の根拠を示す資料がある場合は、添付します。環境大臣は、届出がなされてから6ヶ月以内に、そのザリガニが生態系等に被害を及ぼすおそれがあるか否かを判定します。その結果、おそれがあるものではないという判定(シロ判定)が出れば、輸入することができます。そして、輸入には、そのザリガニの種類を証明する外国政府又は公的機関発行の証明書を添付しなければなりません。なお、未判定生物の輸入場所は、成田国際空港、中部国際空港及び関西国際空港の3箇所に限られています。


Q11:届出をしたところで、認められる可能性はありますか?

A11:環境省がどの程度の厳しさで判定を実施するか今のところ不明ですが、現実的には、殆どのザリガニは、生態系等に被害を及ぼす「おそれがあるものではない」と判定されることは困難と思われます。多少でも可能性があれば、おそれなしとは言えないからです。その場合、殆どのザリガニは輸入ができないということになるでしょう。


Q12:未判定外来生物のザリガニを無届けで輸入したら、どのような罰則を受けますか?

A12:外来生物法33条により、懲役1年以下・罰金百万円以下の処罰を受けます。また、自ら隠し持って国内に持ち込んだ場合などは、他の関係法令による罰則対象にもなりえます。


Q13:輸入の届出により、環境省が審査した結果、クロ判定されたザリガニはその後どうなりますか?

A13:クロ判定、すなわち「生態系等に係る被害を及ぼすおそれがあるもの」との判定がなされると、輸入ができません。更に、次の政令改正で特定外来生物に指定され、飼養、保管、運搬、譲渡、売買、放流、輸入など全てが禁止されることとなります。