ヤビーの飼い方


基本的にアメリカザリガニと同じです。
ヤビーの特徴としては、@強い掘り能力 Aやや獰猛 という点が挙げられます。
@ に関しては、養殖場では池の横壁に穴を空け、水漏れを起こす等の問題を起こしますが、水槽飼育下では何ら問題はありません。
A に関しては、他の種に比べて共食いを起こす頻度が高いため、可能な限り1水槽当たり1匹の飼育、あるいは間仕切りを設ける等により単独飼育に努めるのがよいでしょう。
やむをえず複数飼育する場合も、大き目の水槽を用いる等飼育密度を極力下げるとともに、塩ビ管、流木等の待避場所を多めに設置するのがベターです。




                     ヤビー飼育基本データ


原産地
   オーストラリア

水温
低高温に強く、1〜35度で生存可能であるが、16度以下、34度以上で成長、食餌は停止
適温 20〜28度、最適温24〜25度

溶存酸素量
低酸素レベルに耐えられ、1ppm以下でも一時的には生存可能である。通常4ppm以上は保つこと。6ppmが理想的。

水質

pH

アルカリ寄り(pH 7.0〜10.5)。ph 7.5〜8.5がベスト。PH 7.0以下では殆ど棲息しておらず、脱皮や甲羅の硬化に問題をおこす。

塩分
塩分に強く、8ppt(海水の四分の一濃度)以下で可。但し、2ppt以下を保つのがベスト。海水濃度でも48時間まで生存可能であるが、25ppt以上では最終的には死ぬ。

硬度
甲羅を強く保つため、カルシウムを含んだ硬度の高い水。硬度80ppm以上は必要。

重金属
水銀、鉛等の重金属に強く、死ぬことなく体内に重金属を蓄積するため、汚染調査のデータ収集用に捕獲・処理される。

その他
殺虫剤、除草剤等に弱い。また、幼体はカルキの影響を受けやすい。


繁殖
体長9〜10cmで性成熟(孵化後16ヶ月以内で10cm(40〜45g)に成長。12ヶ月以内にこのレベルに達することも可能。)
春、水温が15〜16度になると繁殖活動開始。
産卵数は、メスの体長に比例して100〜1000個
春から秋のシーズン中、一匹のメスで3回以上産卵可能
孵化にかかる日数は水温に左右されるが、通常19〜40日で孵化。23〜24度の場合3週間。
幼体は2〜3週間で親離れ。


成長
1〜2gの幼体は、u当たり5〜10匹で50〜70%の生存率。
最初の1年間は、20度以上の水温で、6ヶ月当たり40〜60gの成長。
それ以降、1年間で5〜100gの成長。
水温24〜25度で早い成長。16度以下で成長ストップ。


病気

白磁病(白尾病)

セロハニアという単細胞生物が病原。
ザリガニの筋肉を冒し、末期には腹部の下が白く綿のようになり、死ぬ。
感染したザリガニを共食いすることにより感染。治療法はなし。感染ザリガニを隔離して、伝染を予防するのみ。但し、初期段階での感染ザリガニの識別は困難。オーストラリアでは、5〜10%の池、5%の個体が感染との調査結果あり。

ザリガニ病(ザリガニかび病
アファノミセス・アスタシという病原菌が北米からヨーロッパに伝播し、ヨーロッパ産ザリガニに壊滅的打撃を与えた病気。原産地オーストラリアにはまだ伝播していないが、日本国内に伝播しているかは不明。

寄生虫
エラや甲羅に付着するティムノセファリドやエピスティリス。病気ではないが、多すぎれば害もありうる。
1リットル当たり30gの塩(食塩は不可。海水魚用塩を使用のこと)を溶かした塩水には2〜3分間、1リットル当たり10gの塩を溶かした塩水には30分間塩水浴することにより、除去。


エサ
腐食性生物で、水底に堆積した落葉等に付着するバクテリア、菌等が主食(デトリタス)。
副食により成長増進。ペレット飼料、ミミズ、ウジムシ,水草、キャベツ、ニンジン、トマト、ポテト、ブドウ等。有色野菜、くだものは色揚げに効果。