覆面座談会 第10弾!

おことわり
本コーナーは、実際に行われた議論を再現したものですが、ざりがに.COM運営者の意見を反映するものではありません。


日時:2012830
場所:山形県蔵王温泉
参加者:A氏、B氏、C氏、D氏(各氏とも匿名希望)


A氏「ザリガニ・ブームが終焉してから久しく、この座談会も久しぶりの開催ですが、本日は、硫黄泉ですっかり暖まったところでもありますし、山形の美味しい酒で一杯やりながら、ザリガニ談義とでもいきましょう。」

B氏「それでは、東北に来たのでまずその話から・・。以前、アメリカのテネシー州で新種の巨大ザリガニが見つかったというニュースがありましたが、今度は、東北の宮城で巨大アメリカザリガニが捕獲されたという記事が、当地のローカル新聞「河北新報」に出ていました。これを見て、放射能の影響か?と騒ぎ立てるブログなどもあるようですが・・・。」

C氏「子供の頃、夢中で見た東宝の怪獣映画に出てくるエビラ。確か、エビラは、エビが放射能の影響で突然異変を起こして誕生した巨大怪獣でしたよね? もっとも、ハサミがあって、エビというよりザリガニの怪獣のようでしたが・・・。」

D氏「今となってみれば「エビラ」ではなく「ザリラ」と命名した方が良かったのでは?と思いますね・・・。いずれにせよ、ゴジラ、ガメラ、モスラ、エビラ・・・。どれも放射能などの影響による突然異変で生まれてきたという設定になっていました。」

A氏「フィクションの話であるうちは良いのですが、実際に原発事故が起きた今となってはシャレにもなりませんね。」

B氏「どうも日本人は放射能の影響を甘く見ているのではありませんか? 原発事故直後の政府の対応や、人々の行動を見ていると、そう思わざるをえません。救援に来ていたアメリカの空母でさえ200キロ沖合に退避したのですから、そのとき我が国政府はヤバイと思わなければダメでしょう。人体への影響に関する膨大なデータを持っているアメリカと同じことをやっていれば間違いなかったはずです。」

C氏「原発事故の後、福島で採集されたチョウに突然異変が著しく増加しているという調査結果が、ウォールストリート・ジャーナルでも取り上げられ、世界では注目されていましたね。しかし、日本人は意外と平然としています。」

D氏「未曾有の大地震・大津波の時、食料やガソリンが無くなっても、略奪や暴動も起こらず平然としている日本人に世界の賞賛が集まりました。やはり放射能に対しても日本人は平然としているのでしょう。それはそれで良いのですが、数々の政治の失態に対しては、平然というのではなくデモぐらい起きても良いのではないでしょうか?」

B氏「異変による福島産チョウの奇形の写真を見ましたが、悲惨ですね。グロテスクです。チョウの異変だけでなく、ザリガニの異変についても調査してほしいですね。池や沼というところは、周りから流れ込む放射性物質が蓄積されやすいので、ちょっと心配です。ワカサギからは、かなりの高濃度の放射性物質が検出されています。ザリガニ君は、奇形が出ようものなら、脱皮という試練を乗り越えられず絶命してしまうのではないですかね。可愛そうですが・・・。」

D氏「あの辺りにいるザリガニは、所詮は外来生物であるアメリカザリガニですから、某省の人たちは同情は全くしないでしょう。除染の仕事は同じく某省の所掌に落ちましたが、アメリカザリガニに対しては冷淡でしょう。」

A氏「先日、IKEAのザリガニ・パーティーに行って賞味してきました。北欧名物のザリガニ・パーティーは、今後日本でも流行るのではないかという予感がします。しかし、まさか、北欧ザリガニでなく放射能汚染の疑いのある国産ザリガニなんか使っていないでしょうね?」

B氏「スウェーデン人は、環境に対する感性が強く、1980年に原子力発電の全廃を国民投票で決めたぐらいですから、大丈夫でしょう・・・。でも、放射能に鈍感な日本人スタッフが、怪しいところからザリガニを仕入れていたりしたら、マズイですね。」

C氏「北海道のウチダザリガニなら放射能は大丈夫なはずです。しかし、例の法律のおかげで、IKEAのザリガニ・パーティーで使うのは無理でしょうね。ウチダザリガニは結構美味しいので、それが出来ないのは残念ですけどね・・・。ちなみに、現在我が家では、牛乳や野菜は全部北海道産を買っています。」

D氏「あんな四角四面な法律作らないで、ザリガニ・パーティー奨励法みたいなの作って、国民皆がザリガニ・パーティーやってウチダザリガニを喰ってしまえば、某省の望む防除は進むのでしょうけどね・・・。どうせやるならワイワイやったほうがいいし、アクアビット飲みながら、ウチダザリガニの成仏を祈りつつね・・。そうすりゃ、角に追いやられているニホンザリガニも息を吹き返して、喜ぶかもしれない。」

B氏「ニホンザリガニ減少の最大の原因は、ウチダザリガニではなくて、人間による自然破壊です。人間がどんどん進出して、ニホンザリガニの生息適地である沢などが、どんどん減少しているからです。そこで、もはや北海道にこだわらず、本州でも生息適地と思われる沢などにニホンザリガニを放して、絶滅の危機を救う必要があると私は以前から唱えていますが、某省やその支持者は大反対でしょう。でも、西湖でのクニマス発見のニュースを聞いたときは、それ見たことか!と思いましたよ。」

A氏「確かに、クニマスの移植が行われた当時、「西湖の生態系を壊すからクニマスの移植は反対!」なんて言う人がいたら、あのような奇跡は起きなかったでしょうからね。絶滅危惧種のホワイト・クロー・クレイフィッシュの新天地移植のように、イギリスでやっていることを、日本でやらないのが残念ですね。」

B氏「100年後の日本で、「北海道から姿を消し、日本では絶滅したと思われていたニホンザリガニが日光の大谷川で見つかりました。」というニュースが流れるというSFのような小説が書けるかも・・・。笑いごとではなく、絶滅というものは、あっという間に来ますからね。ニホンカワウソなどもそうでした。」

C氏「確かにイギリスは立派だと思いますが、中には変な人がいてね、外来種のザリガニをせっせと食べて駆除していたつもりが実際は絶滅危惧種をせっせと食べて絶滅に荷担していた自然保護活動家を前回紹介しました。また、先日、ロンドン大学の博士の論文を見てビックリしたのですが、ザリガニを究極的な悪者にしているのです。ザリガニは水中の生物や植物を食い荒らすだけでなく、水が少なくなったときには陸に上がって陸上植物などを食い荒らすということが調査の結果わかったとし、だから「考えられていた以上に環境全般にダメージを与える」悪玉生物だとしてザリガニを悪者扱いにしているのです。」

D氏「官僚叩きをすれば票になるからと、官僚をガンガン叩いているどこかの国の政治家に似ていますね。ザリガニを叩けば拍手喝采というポピュリズム下のムードに乗って、ザリガニを叩いているポピュリスト先生ですか・・・。」

B氏「アンチ・ザリガニのムードに乗って、我々のようなザリガニ愛好家が、叩かれるどころか、撲殺されないように気をつけなければなりません。オヤジ狩りならぬザリオタ狩り・・・。クワバラ、クワバラ。」

A氏「今回も、情けない話で終わりましたが、そろそろお開きといたしましょう。」