未判定外来生物にザリガニ全種を指定!

概要

06年1月25日、外来生物法施行規則が改正・公布され、同規則の別表で、アスタクス属及びウチダザリガニを除く「ざりがに科」全種、アメリカザリガニ、ニホンザリガニ及びラスティークレイフィッシュを除く「アメリカざりがに科」全種、並びにケラクス属を除く「みなみざりがに科」全種が未判定外来生物として指定されました。これは、アメリカザリガニ、ニホンザリガニ及び特定外来生物に指定されたザリガニを除く、全てのザリガニを意味します。
施行日は06年2月1日なので、周知徹底できる期間はわずか1週間でした。
未判定外来生物は、輸入に規制がかかります。すなわち、未判定生物のザリガニを輸入しようとする者は、あらかじめ環境大臣に届出をし、「在来生物とその性質が異なることにより生態系等に係る被害を及ぼすおそれがあるものでない」と判定されなければ、輸入することができません。
現実的には、殆どのザリガニは、生態系等に被害を及ぼす「おそれがあるものではない」と判定されることは困難と思われます。多少でも可能性があれば、おそれなしとは言えないからです。結果として、殆どのザリガニは輸入ができないということになるでしょう。
特定外来生物と異なり、未判定外来生物は、飼育、繁殖、売買等が禁止されていませんので、仮に輸入がストップしても、国内ブリードものが存在すれば、飼育、飼育、売買等は可能です。

しかし、ここで安心してはイケマセン!


誰かがある種類のザリガニを輸入しようと届出をして、環境大臣から「おそれあり」と一度判定されると、この種類は次から特定外来生物に指定すると環境省は明言しています。特定外来生物に指定されると、以後、飼育、売買、保管、運搬など全てが禁止されてしまいます。
すなわち、誰かがある種のザリガニを輸入しようと届出を行うと、環境大臣が審査を開始し、そこで殆どの場合「おそれあり」という判定が出るでしょうが、このような自殺行為の結果、その種のザリガニは特定外来生物に指定され、以後輸入のみならず飼育など全てが禁止されることとなるのです。「誰か」とは、ザリガニ輸入業者でもザリガニ愛好家個人でもかまいません。更に日本人でなく国外からニホンにザリガニを輸出しようとする外国人でもかまいません。今は、このような届出がされることがないことを祈るばかりです。
なお、未判定外来生物は「規則」すなわち省令の中で指定されますので、閣議を経る必要さえなく、その指定は環境省・農水省に委任されています。ザリガニ全種の指定は、実質的に環境官僚が決めているといっても過言ではありません。

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