覆面座談会 第5弾!
おことわり
本コーナーは、実際に行われた議論を再現したものですが、ざりがに.COM運営者の意見を反映するものではありません。
日時 :2007年9月25日
場所 :東京赤坂某料亭
参加者:A氏、B氏、C氏、D氏(各氏とも匿名希望)
A氏「今夜は、十五夜としては珍しくよく晴れましたね。とっても月がきれいです。今宵は、風流に中秋の名月を眺めながら、ザリガニ談義といきましょう。」
B氏「そういえば、先月ついにヤビーで逮捕者が出ましたね。
報道によれば、北海道札幌市のペットショップ店主(28歳)がヤビー1匹を販売目的で飼育していたとして、外来生物法違反で札幌手稲署に逮捕されたとのことです。今後、取締を強化すると出ていました。」
(参考)8月25日付毎日新聞、8月8日付毎日新聞、8月8日付読売新聞、8月8日付北海道新聞C氏「たったの1匹ですか? 単なる飼育であれば懲役1年以下で済みますが、販売目的では懲役3年ですからね・・・。」
B氏「一応「非売品」と表示がされていたそうですが、他方で7万9800円とどこかに書いてあったようで・・・。」
D氏「販売目的であったかどうか争われるところですね。販売を意図して価格を書いたのか、単に高価なザリガニだということを誇示したかっただけなのか・・・。」
B氏「ペットショップ店主の供述によれば、2〜3年前に1匹2000〜3000円で10匹を仕入れたが1匹売れ残ったので飼っていたとのことで、警察は仕入ルート等を追及すると報道されていました。」
D氏「ザリガニに関する法の施行は昨年2月ですから、少なくとも2〜3年前の仕入れは合法的な行為であり、追及されることはありません。余罪関係で問題となるのは、9匹が合法だった昨年2月までに完売されていたか否かですね。」
C氏「いずれにせよ、このペットショップ店主は、新聞各紙に実名で報道されてしまったので、まさに晒し者状態です。当局による意識的な発表でしょうね。こっそり飼っている輩がいればこれを震え上がらせようという狙いですか?」
B氏「環境省北海道地方環境事務所は「ペットとしての飼育が違法だと知り、むやみに野外に放されることが一番困る。違法性の度合いによっては警察への告発も検討する」と話しているとその記事にでていました。」
C氏「公務員には告発義務があるのだから、「違法性の度合いによっては告発も検討する」なんて優柔不断なこと言っちゃダメですよ、違法ならちゃんと告発しますと言わなきゃ・・。お馬鹿ですね。」B氏「毎日新聞によれば、ペットショップを訪れた刑事は、鮮やかな群青色のヤビーに目を奪われ、「ザリガニと言えば茶色なのに青。あまりにもきれいすぎる。これは違法な生き物じゃないか」と、刑事特有の勘が働き、逮捕に繋がったとのことです。」
C氏「それって、笑っちゃいますね。何も青いのはヤビーに限ったことではないのに・・・。それが、合法ザリガニであるアメザリ青個体やフロリダ・ブルーだったら、この刑事さんは一体どうしたのでしょうかね?
でも、やっぱり目を奪われましたか? 刑事さんも人間ですね。」A氏「青いというだけで、お縄だなんて・・・。チョット怖い。」
D氏「北海道では、アンチ・ウチダザリガニ・キャンペーンを、環境省がかなり派手にやっていますからね。パンフレットが何千部もばら撒かれたり、あちらこちらでNGOや学生のボランティアを使って、ウチダザリガニの駆除が行われていたり。北海道新聞にはしばしば記事が出ていますから、環境省がプレイアップしているのでしょうね。
そんな雰囲気に触発されて、北海道警の刑事さんもザリガニに目が行ったのでしょう。」A氏「そういえば、前北海道警察本部長は、先月、警察庁の政策評価審議官にご栄転されましたが、違法ザリガニ検挙数を政策評価の数値目標に設定したりして・・・。」
D氏「ハハハ。スーパーエリートは、○流官庁なんか端から相手にしていませんよ。迎合なんかしませんって。」
C氏「ウチダザリガニの駆除って、喰っちまうのかな?」
A氏「あんな美味しいもの喰わないわけないでしょう。
そもそも、ただ殺されるだけじゃあ、ウチダザリガニも浮かばれませんよ。食物連鎖の中で他の生物のお役にたてずに、ただ殺され捨てられるだけじゃあ、生物として悲しい限りです。そんな暴挙は、お天道様が許しません。
でも、地方環境事務所って、案外、融通が利かない堅物かもね。捨てているかもしれない。」B氏「北海道新聞に「環境サミットで訴えたい 洞爺湖の外来種ザリガニ駆除」という見出しの記事がありました。北海道地方環境事務所の自然保護官が、来年7月の洞爺湖サミットで洞爺湖の外来種ザリガニ駆除について訴えたいと述べていましたが、一体どんなセンスしているんでしょうかね、この人は?」
D氏「困った自然保護官ですね。1930年頃に水産業振興のためにウチダザリガニを北海道で放流したのは、他でもない日本政府です。それが今頃になって、外来種の駆除を訴えたって、ブッシュさんも苦笑せざるをえないでしょう。
相手の立場になってものを考えればよく解りますよ。もし、ある外国政府がニホンザリガニを政策目的で勝手に放流しておいて、今になって環境問題と結び付けたうえで外来種の駆除と訴えられたって、シラケルだけでしょう。」A氏「ところで、北海道の青いザリガニと言えば、網走のある川では、ニホンザリガニの青個体が10匹に1匹の割合で棲息しているということが発見されたそうですね。そして、水族館・水産試験場で、このブルー・ニホンザリガニの繁殖に取り組むことになったとのことです。先が楽しみですね。」
(参考)7月19日付北海道新聞B氏「将来的には、ペット用のブルー・ニホンザリガニと、自然界で脈々と生き続けてゆく褐色ニホンザリガニが、そのような役割分担で、棲み分けをしていくことになるかもしれませんね。」
D氏「もしペット用ブルー・ニホンザリガニが、どんどん養殖されて安価でペットショップの店頭に並ぶようになれば、自然界のニホンザリガニ捕獲が減り、ニホンザリガニの個体数維持に役立つかもしれない。一般人には、ブルーの個体の方が魅力的ですからね。」
A氏「ニホンザリガニの飼育は、東京では難しいんですけどね。特に夏は、高価な水槽用クーラーが無いと・・・。
いずれにせよ、在来種ですから外来生物法の規制の対象にはなり得ないし、養殖ものであれば絶滅危惧種としての規制もされないでしょう。
昨今厳しい規制に晒されているザリガニ愛好家にとっては、朗報であることは間違いないですね。」D氏「ほら、あのお盆のようなお月様見て下さいよ! ウサギの餅つきではなくて、ザリガニに見えませんか?」
C氏「ああ、ザリガニだ、ザリガニだ。」
B氏「本当だ、ザリガニに見える!」
A氏「ほろ酔い気分で、お月様にザリガニが見えたところで、今日はお開きといたしましょう。」