マロンの養殖
ウエスタン・オーストラリア州
東京ザリガニ研究所 訳
T はじめに
マロン(Cherax tenuimanus)は、淡水ザリガニの大型種で、ウエスタン・オーストラリア州南西部多雨森林地帯の主要な永久河川に棲息している。(ローレンス1995年論文)
棲息する河川の違いにより遺伝子上の差異が見られる。(ローレンス&モリシー記事)
この種は、東はエスペランスまで、北はジェラルトンまで分布しており、マロン養殖に対する国際的関心から、オーストラリアの他州のみならず、南アフリカ、ジンバブエ、日本、アメリカ、中国、カリブ諸国などに紹介されている。(モリシー他1990年論文)1990年代後半に西部及び南部オーストラリアにマロン養殖が急速に広まったが、成功したところは少ない。
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図1 ウエスタン・オーストラリア州におけるマロンの分布地図 |
この新しい養殖事業に良い結果を出したところもある。マロンはヤビーやレッドクロウに比べ、贅沢なものとして料理人を魅了し、高値がつけられている。マロンは普通生きたまま販売され、「殻つきテール」は体重の42〜43パーセントを占める。この割合は、他の養殖淡水ザリガニより高く、また海産のイセエビにも相当する。(モリシー他1990年論文)マロン養殖は、黎明期には幼体の確保とそのコストが大きな制約要因であったが、今では商業ベースでみて明らかに魅力的なものとなっている。
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